やんばる3村の紹介
やんばる3村とは?
沖縄島北部のやんばる地域には、国頭村、大宜味村、東村の3村があります。面積は3村合わせて約340k㎡で、これは日本全体の国土面積約377,930 k㎡の約0.1%です。3村合わせて43の字区があり(国頭村20区、大宜味村17区、東村6区)、1万人余りの人々が暮らしています。このわずかな地域に、多くの固有種を含む、たくさんの生きものを育むやんばるの森があります。
やんばる3村地域に占める森林の割合は、約75%以上となっており、これは県全体での値(約46%)と比較すると非常に高い割合です。また、やんばる地域では那覇などの沖縄島南部に比べて降水量が多く、沖縄県の中南部の都市部への水がめとしても重要な役割を果たしています。
国頭村 ~森と水とやすらぎの里~
先人達は、生活に欠かせない木材を生み出す森とともに、畑を耕したり漁をしたりと、知恵をしぼりながら暮らしてきました。森の中には、薪炭や琉球藍づくりなど生業の名残を見ることができます。自然の恵みに感謝し、畏敬の念を抱く中で、「シヌグ」や「ウンジャミ」などの、集落から邪気を払い豊作や豊漁を祈願する多くの行事は、今もなお一部の集落で残っています。
県内最大のマンゴー農園がある国頭村では、贈答品としても人気な美味しいマンゴーを育てています。さらに、日本で一番早い新茶である「おくみどり」や、シナモンの葉で作った「からぎ茶」も有名です。
大宜味村 ~教育·歴史文化の輝く長寿村~
沖縄本島北西部に位置する大宜味村のほぼ中央には、標高300mほどの山々が連なり、総面積の約76%を森林が占めています。村指定文化財に指定されている大宜味村の猪垣(ヤマシシガキ)は、村全域を囲むように全長約31kmの猪垣が今でも残っており、何世代にもわたって大切に維持してきた先代の歴史を感じることができます。また、大宜味村を象徴する山、ネクマチヂ岳(360m)とそれに連なる石灰岩の山々の中腹で生まれ育ったシークヮーサーの生産量は60%以上と、県内一の生産量を誇ります。
約500年の歴史のある塩屋湾のウンガミ(海神祭)は国の重要無形民俗文化財に指定されており、五穀豊穣、無病息災を祈願する祭りとして旧盆明けの初亥の日に行われます。また、伝統産業として確立されている芭蕉布は500年以上の歴史があり、喜如嘉の芭蕉布は国指定重要無形文化財に指定され、平良敏子さんはその功績と技術が認められ平成12年6月に人間国宝に認定されています。
青々とした青切りシークヮーサーは、酸味が強く、ジュースの調味料として高い人気を誇っています。冬になると「クガニ」と呼ばれる、熟して黄色くなったシークヮーサーは果実をそのまま食べられるのが特徴で、酸味と甘みのバランスが絶妙と好評です。
東村 ~花と水とパインの村~
沖縄本島北部の東海岸に位置する東村には、伊湯岳(446m)、玉辻山(289m)、などの脊梁山地が広がっています。地域の7割以上を森林が占めており、村鳥に指定されているノグチゲラをはじめ、豊かな生物多様性が築かれています。慶佐次川の河口に広がる約10haのヒルギ林は沖縄本島での最大面積を誇り、国の天然記念物に指定されています。沖縄一の長さである福地川の中流には沖縄最大の福地ダムが建設され、大小14本の河川周辺では、酸性土壌を生かしたパインアップル栽培が盛んです。
戦前は、山地から伐り出した木材や薪などを「山原船」と呼ばれる船で運び出し、本島中·南部に出荷していました。かつてはそのような船でにぎわっていた慶佐次湾のマングローブ(ヒルギ)林は昭和47年に国の天然記念物に指定され、沖縄本島の代表的なヒルギ林として知られています。現在はカヌーツアーなどが行われており、貴重な自然を身近に感じられる場となっています。
生産量日本一を誇るパインアップルや、マンゴー、タンカンなど様々なフルーツやカボチャ、ゴーヤーといった野菜が生産されています。豊かな緑と美ら海に囲まれた環境で育てられ、特産品であるパインアップルを与えた、自慢のアグー豚「パイとん」は絶品です。