Yambaru Wildlife Conservation Center
Ufugi Nature Museum

やんばるのいきもの

昆虫~姿かたちもさまざまな虫たち~

 やんばる地域には、2,000種近い昆虫類が確認されており、せまい面積の地域の中で、 特に多様な種類の昆虫が生息しています。身近なところでも、あでやかなチョウやトンボが優雅にとんでいるのをよく見かけることができます。

ヤンバルテナガコガネ
コノハチョウ
リュウキュウハグロトンボ

大きな体と長ーい手 ~ヤンバルテナガコガネ~

国内希少野生動植物種(種の保存法)、レッドリスト絶滅危惧I類(CR+EN)、国の天然記念物

 日本最大の甲虫で、オスの前足の長さは約9cmにもなります。イタジイやオキナワウラジロガシの大木のじゅどう樹洞(木のうろ)の中のみに生息し、幼虫は底に溜まった腐植物を食べ、約3年かけて育ちます。成虫は秋に羽化した後、翌夏まで樹洞内に留まり、その後ようやく繁殖のために外に出ます。すみかとなる大木があるような森がないと生きていけず、非常に数の少ない貴重な種です。1983年に発見された比較的新しい種であり、大きな話題となってしまったために、マニアによる密猟の被害にさらされています。世界中でやんばるの森にしかすんでいない、やんばる固有種です。

木の葉にそっくり! ~コノハチョウ~

 成虫の羽の大きさが約5cmにもなる大型のタテハチョウです。一年に複数回繁殖する『多化性』のため一年を通して見られ、成虫で越冬します。幼虫期にはセイタカスズムシソウなどを食草とします。名前の通り羽を閉じると、裏面の模様が枯葉に非常によく似ています。反面、羽を広げると藍色の光沢が美しい種です。県の天然記念物に指定されています。

羽を閉じているところ
羽を開いているところ

水辺にきらめく ~リュウキュウハグロトンボ~

 体長約60mm。オスの体色は光沢のある青色から緑色で、川沿いで出会うとその美しさに目を奪われます。一方で、メスの羽の色は褐色から黒褐色です。琉球列島の固有亜種で、やんばるの河川では普通に見られます。

オス
メス