「やんばる野生生物保護センター ウフギー自然館」は、
「やんばる世界遺産センター ウフギー自然館」に改修します。

改修工事のため、令和6年5月6日(月)から閉館し、
リニューアルオープンは令和7年7月以降を予定しています。

※リニューアルオープンの時期については、決定次第お知らせします。

Yambaru Wildlife Conservation Center
Ufugi Nature Museum

やんばるの自然を守る

ロードキル対策

ロードキルとは?

 ロードキルとは、車両にひかれて死ぬれき、ぶつかって死ぬ衝突死、道路わきの排水溝内へ落ち込み溺れて死ぬ溺死、乾燥して死んでしまうかんこし涸死などの、道路による影響で野生動物が死亡することをいいます。やんばるでは、ヤンバルクイナ、ケナガネズミ、リュウキュウヤマガメ、イボイモリ、シリケンイモリなど様々ないきものがロードキルにあっています。

ヤンバルクイナ
ホントウアカヒゲ
リュウキュウコノハズク
リュウキュウアオバズク
リュウキュウヤマガメ
カエルの一種

ヤンバルクイナの交通事故

 環境省では、ヤンバルクイナ保護増殖事業計画(2004年策定)に基づき、ロードキル対策に取り組んでいます。データを取り始めた1995年以降、多い年では年間47件(2012,2014年)の交通事故が確認され、累計確認件数は約500件にのぼります。ただし、この数字は“確認”件数で、実際に起こったすべての交通事故件数ではありません。事故に遭い、傷つきながら林内へ逃げ力つきてしまう個体、事故後すぐに発見されずにカラスに食べられてしまう個体など、人間の目には見えない交通事故がこの数字の下には埋もれています。

ヤンバルクイナの交通事故はいつ起こりやすい?

 環境省では、2007年5月から2008年4月までの1年間、ロードキルが多発する県道2号線と70号線で、ヤンバルクイナの路上への出現状況を調査しました。その調査結果と、実際に事故が確認された日時を比較すると以下のような傾向がみられることがわかりました。
 しかし、これはあくまでも傾向です。この時期や時間帯だけ注意するといいということではありません。それ以外の時期や時間帯でも実際事故は起きていますので、この時期や時間帯以外でも走行にご注意下さい。

事故が多発する時期及び時間帯
・繁殖期(中でも5月~7月)
繁殖期とは、結婚相手を探し、子どもをつくり、育て、その子どもが親離れするまでの期間をさします。ヤンバルクイナは、特に子育ての時期に、ヒナを一生懸命育てることに集中しすぎて、道路上へ飛び出してくることが増えてきます。また、親子で連れだって、道路にあらわれエサを探すこともあります。親鳥がヒナやエサに気をとられ、逃げ遅れて自動車にひかれてしまう事故も実際に起きています。

・時間帯は朝方と夕方
ヤンバルクイナは、日の出とともに目を覚まし、おなかのすいたヒナへエサをあげるためせわしく動き回ります。また、夕方にも、寝る前の準備なのか、今夜のねぐらとなる木を探しているのか、せわしく動き回り、道路上へ飛び出してくることが多くなります。

野生動物交通事故の最新情報やアーカイブはこちら

ロードキル発生防止の取り組み

 「やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議」(自然保護や道路管理・利用に関係する行政や関係団体など、25の機関で構成)を毎年開催し、ロードキルの確認状況や対策などの情報交換を行っています。

連絡会議の様子
ロードキル防止キャンペーン記念写真
ロードキル防止キャンペーン活動の様子

会議で提案された各機関の取組の一部

 ●ロードキル防止キャンペーン
 ●事故多発路線での呼びかけ、横断幕や看板の設置による走行車両への注意喚起
 ●メディア、パネル展、ホームページ、パンフレット、講座などによる普及啓発
 ●傷病鳥獣救護事業(沖縄県)による救護個体の治療
 ●事故情報の収集、死因の解析(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄、国立環境研究所)
 ●道路環境の対策
   例)
   アンダーパス(道路下の野生動物の通り道)の設置
   道路排水溝を野生動物がはい出せる構造に改良
   クイナフェンス(高さ1mの道路侵入防止フェンス)の設置

今後も、ロードキルゼロを目指して取組んでいきますので、ご協力よろしくお願いします。

今年の事故発生地点、目撃多発地点周辺に設置してあります

ケガをしている、死んでいるヤンバルクイナを見かけたら至急連絡を!!

ケガをしている、死んでいるヤンバルクイナを見かけたら、

やんばる野生生物保護センター(ウフギー自然館):0980-50-1025

ケガをしているヤンバルクイナを見かけたら、

クイナダイヤル(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄):090-6857-8917

までご連絡下さい。

万が一、ヤンバルクイナをひいてしまっても故意でなければ、罪に問われることはありません。迅速な連絡によりヤンバルクイナが助かる可能性が高まります。また、たとえ死んでしまってもその後の事故防止対策に役立てることができます。

ケガから回復したヤンバルクイナの放鳥
ケガから回復したヤンバルクイナの放鳥

 野生のいきものは交通ルールを知りません。交通事故は人間生活に起因して起こることで、一人一人の心がけで防げることでもあります。交通事故をふせぐためには自動車のスピードをおさえることがもっとも効果的です。もともとやんばるの道は、生き物たちが暮らしているエリアを通っています。生き物たちの住み家にちょっとお邪魔している気持ちで、やんばる路をゆっくり余裕を持って走りましょう。ヤンバルクイナやヒナのかわいい姿に出会えるかもしれませんよ。

ドライバーの皆さん一人ひとりの、やさしい心づかいをお願いします。

詳しい情報はこちらの資料もご覧ください。